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Webマーケティングの始め方・手順と施策種類や実行のコツ

DXへの取り組みやデジタルシフトによりWebチャネルの重要性が高まり、多くの企業がWebマーケティングに注力しています。Webマーケティングの施策は種類が多く複雑なため、担当者に任命されたばかりの方は、どのように始めたらよいか迷うかもしれません。本記事ではWebマーケティングの施策種類や、始め方・手順と、施策を実行する際のコツについて解説します。

1.Webマーケティングの重要性・メリット

Webマーケティングとは、WebサイトやWebサービスなどWeb技術を使って集客や販売促進を行うマーケティング活動を意味します。GoogleやYahoo!などの検索エンジン最適化(SEO)をはじめ、TwitterやInstagramなどのSNS、Eメール、モバイルアプリやオンラインセミナーなど、Webチャネルにおけるマーケティング活動全般がWebマーケティングです。

Webマーケティングの重要性は、競合他社に後れを取らないマーケティング施策を実施することにあります。スマートフォンやSNSの普及に伴ってオンラインのチャネルは拡大・多様化しており、それだけ競合も増加している状況です。

Webマーケティングに取り組むメリットは、こういったWeb市場へのシフトに対応できることに加え、実施した施策の効果をデータとして計測しやすい点にあります。施策に対するユーザーのアクションを分析しつつ、特定のアクションをしたユーザーに絞り込んだ広告を打つといった戦略も可能です。

Webマーケティングの基礎知識については以下の記事でも解説しています。
Webマーケティングとは?施策やメリット、成功のポイント

2.Webマーケティングで用いられる施策の種類

Webマーケティングで用いられる主な施策は次の3種類です。

  • 集客・認知度アップの施策
  • コンバージョン・購買促進の施策
  • リピート促進の戦略

それぞれの施策種類について以下で解説します。

Webマーケティング戦略の立て方や主な施策とフレームワークについては以下の記事を参照してください。
Webマーケティング戦略の立て方・主な施策とフレームワーク

2-1.集客・認知度アップの施策

まずは、自社が販売したい製品やサービスを知らない人に対し、それらを認識してもらう施策を実施する必要があります。認知度をアップしなければ集客を増やすこともできません。集客・認知度アップのための具体的な施策としては、SNS広告を含むSNSマーケティングやWeb広告などがあります。

2-2.コンバージョン・購買促進の施策

自社のWebサイトを閲覧したことがあるなど、自社の製品やサービスを認知しており、何らかの関心を持っている顕在層を対象とする施策です。購買しようかどうか迷っているユーザー心理に働きかけることによって、問い合わせや新規購入などのコンバージョン(Webサイトの目的である成果)を促します。

顕在層を対象とするコンバージョン・購買促進を目的とする施策では、Web広告のなかでもリスティング広告やリターゲティング広告などが利用されます。また、顕在層だけでなく潜在層も対象としてコンバージョンを狙う場合には、オウンドメディア運用やそれに伴うSEO、動画配信なども効果的なWebマーケティング施策です。

2-3.リピート促進の戦略

顧客との関係性を維持しながらリピートを促進する施策も必要です。リピートを獲得するためにかかるコストは、新規獲得にかかるコストの20%程度といわれています。

リピート促進の戦略としてはメルマガ配信やLINE公式アカウントなどが利用されます。定期的なメルマガで既存顧客に役立つ情報を配信することにより、相談・問い合わせなどの回数アップや新しいニーズの発掘などを期待できるでしょう。LINE公式アカウントでもメルマガ同様にユーザーに有益な情報を配信できる他、チャットで相談や問い合わせに対応することも可能です。最近はメールよりもLINEを頻繁にチェックする行動が顕著なので、メルマガから公式LINEにシフトする企業も増えています。

Webマーケティングの始め方・基本手順

3.Webマーケティングの始め方・基本手順

Webマーケティングを始める基本手順は次の5ステップです。

  1. 目標の設定
  2. 現状分析
  3. 導線・KPIの設定
  4. 実行施策・リソース配分の決定
  5. 効果検証と調整

各ステップについて以下で解説します。

3-1.目標の設定

最初に、Webマーケティングを実施する全体的な目標を明確に言語化し、設定しましょう。そうすることによって、Webマーケティングで実施すべきことが見えてきます。また、当初の目的を見失わないように意識しておけば、具体的な戦略を決める段階に入っても迷うことはありません。ここで設定する目標とは、例えば、「新サービスへの問い合わせ件数を増やす」「会員登録数を増やす」などです。

目標を設定したら、次は、ターゲットとするペルソナを設定しましょう。Webマーケティングが失敗する原因の1つには、自社が提供する価値とターゲットが必要としている価値の食い違いがあります。ペルソナを明確化することによって、ターゲットに「刺さる」アプローチの方法を考えやすくなるのです。自社の製品・サービスを必要としているのはどのような企業や人なのか、できるだけ詳細かつ具体的に言語化しましょう。

3-2.現状分析

Webマーケティングにおいては自社の現状分析も重要です。すでに自社のWebサイトがある場合は、そのアクセス分析を行い、課題や問題点を探してみましょう。アクセス分析データを見慣れていない場合は、データを見る前にユーザーの動きをいくつかの段階に分けてマイルストーン化し、段階ごとのユーザー数と段階間の遷移率をチェックすると、ユーザーの動きを把握しやすくなります。

例えば、会員登録数がなかなか増えないという問題があるとしましょう。この場合、どの段階でユーザー数が少ないのかを考えながらアクセス分析のデータを検証します。「そもそもWebサイトへのアクセス数自体が少ないために会員登録数も増えないのか」それとも「アクセス数はそれなりにあるがランディングページから推移する先のページ(製品・サービス紹介ページや申し込みフォームなど)で離脱しているユーザーが多いのか」などを見てみましょう。

製品・サービス紹介ページでの離脱が多い場合は、コンテンツが見にくかったり、情報が整理されておらず分かりにくかったりといった問題点があるのかもしれません。申し込みフォームで離脱している場合、入力しにくい要素があったり、入力項目が多過ぎたりといった問題点があると考えられます。

3-3.導線・KPIの設定

ユーザーがWebサイトにアクセスしてから製品購入や会員登録、サービス利用などに至るまでの導線を想定したうえで、具体的なKPIを設定します。KPIとは「重要業績評価指標」とも呼ばれるもので、Webサイトにおける最終的な目標(KGI)を達成するための中間指標を数値で表すものです。KPIの例としては、Webサイトの「ページビュー」(ページの閲覧数)や「訪問者数」「コンバージョン率」などがあります。

この時、カスタマージャーニーマップなどの相関図を作成すると、ユーザーの導線やどこに力を入れて設計すべきか、適切なKPI値などが分かりやすくなります。また、上記の現状分析(アクセス分析)で得られた数値もKPIを設定する際の参考になります。例えば、売上を現状の2倍にするためには「アクセス数を現状の2倍にすれば達成できる」「離脱率を現状の1/2にすれば達成できる」など、KPIの基準とすることも可能です。

3-4.実行施策・リソース配分の決定

Webマーケティングにはさまざまな施策があるため、上で設定したKPIを達成するためにはどの施策が最も適しているかを選定し、人的・金銭的リソース配分を決定する必要があります。

例えば、KPIが「Webサイトへのアクセス数を30%上げる」であれば、Webマーケティングの施策としてリスティング広告やSNSマーケティングが効果的でしょう。もしくは、「リピート率を10%上げる」というKPIであれば、メルマガや公式LINEの強化、Webサイトのコンテンツ更新や追加などが適しています。

3-5.効果検証と調整

Webマーケティングにおいては効果検証と調整の繰り返しが欠かせません。まず、アクセス解析から得られたデータを活用して、施策の効果が出ているかどうかを検証します。そして、結果に応じて施策の改善を続けていくことが重要です。もしも、上で設定したKPIを達成できていないなどの問題点がある場合は、Webサイトなどのコンテンツの見直しや、メルマガを配信するターゲットのペルソナ見直しなどを行います。また、場合によっては施策の予算配分を変えるといった調整も検討しながら、KPI達成率の改善を目指しましょう。

Webマーケティングを効果的に始めるコツ

4.Webマーケティングを効果的に始めるコツ

Webマーケティングを効果的に始める際の主なコツは次の4つです。

  • 優先順位を設定する
  • フレームワークを使って分析・計画する
  • コンバージョンへの効果的な導線を設計する
  • アクセス解析・効果検証の体制を作る

それぞれについて、以下で解説します。

4-1.優先順位を設定する

Webマーケティングの施策には多くの種類があります。競合の実施している施策を自社でも取り入れたり、情報を入手したりした結果、複数の施策を並行して実施するケースが多いかもしれません。しかし、複数の施策を進めるなかでは、どの施策に重点を置くかについての優先順位を明確に設定することが重要です。

Webマーケティングの効果があまり出ない場合、施策の優先順位を付けられていないことが原因でリソースが分散しているケースがよくあります。また、総合的にはそれほど優先すべきではない課題に対する施策のPDCAを業務に組み込んでしまっているなど、優先順位を見失っているケースも少なくありません。

最初に設定したWebマーケティングの目的やKPIを振り返って現状を把握し、どの施策に予算を多く投入するか、どの施策から先に着手するかなどの優先順位をしっかりと付けるようにしましょう。

4-2.フレームワークを使って分析・計画する

Webマーケティングでデータの分析や戦略・計画を立てる際には、フレームワークがよく用いられます。Webマーケティングに関するフレームワークとは、Webマーケティングで発生する特定の事象に対して「何を」「どのように」「どれくらい」考えるべきかをパターン化したものです。フレームワークを使って分析すると、効果的なWebマーケティング戦略を立てやすくなります。

フレームワークには多くの種類がありますが、自社の強みの分析やWebマーケティング戦略の計画が効率化するフレームワークとしては「SWOT分析」「STP分析」「3C分析」などがあります。

4-3.コンバージョンへの効果的な導線を設計する

コンバージョンに至る流れは次のようになっています。

  • ユーザーに自社の製品・サービスを認知させる
  • 集客(Webサイトやランディングページ、公式LINEへの誘導など)
  • 製品・サービスへの興味・関心を獲得する
  • コンバージョン(リード獲得・購入など)

コンバージョンへの導線作りには2つのポイントがあります。

第1のポイントは、上記の流れを意識し、最終的なコンバージョンポイントという出口を明確にして逆算することです。

第2のポイントはコンバージョンに近いチャネルから順番にリソースをかけることです。例えば、いくらWeb広告に多くのリソースを投入して集客に成功したとしても、誘導先であるWebサイトやランディングページ、公式LINEなどが充実していなければ、なかなかコンバージョンにつながりません。Web広告も重要ではあるものの、まずは誘導先に重点を置きましょう。

4-4.アクセス解析・効果検証の体制を作る

Webマーケティングでは、アクセス解析をして効果を検証することが重要です。そのため、マーケティング施策の効果分析をどのように実施するかを検討し、体制を作らなければなりません。

Webマーケティング用のツールを活用すれば、複数チャネルの横断的な解析が可能です。WebマーケティングツールにはGoogleアナリティクスの他、有料のCRM/MAツールなどがあります。どのようなツールを導入するか、誰が担当するのかを検討しておきましょう。

ちなみに、コンサルティングサービスを提供しているWeb制作会社なら、Webサイト制作の発注から効果分析まで、総合的なサポートを受けることができます。

5.まとめ

Webマーケティングの施策目的には「集客・認知度アップ」「コンバージョン・購買促進の施策」「リピート促進」の3種類があり、「目標設定」「現状分析」「導線・KPI設定」「実行施策・リソース配分の決定」「効果検証と調整」という手順で実施します。施策を実施する際は、コンバージョンに近いチャネルから優先的にリソースをかけることやアクセス解析・効果検証の体制作りが重要です。

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